事故の可能性が高まる高齢者の自転車運転には、保険でしっかり備えましょう。70歳以上でも加入できる自転車を紹介します。
高齢者の自転車事故は要注意
70歳・80歳といっても、元気な方が多い現代。普段の買い物や通院のほか、健康維持のために自転車で出かけるご老人の姿も多く見られますね。
しかし、どんなに元気でも加齢によって体は衰えていくものです。高齢者には、視野が狭まる、反応が遅れる、バランス感覚の低下といった傾向があります。その為、事故を起こしてしまう・巻き込まれてしまう可能性は歳を重ねるごとに高まります。
実際に、自転車事故による死者のうち、65歳以上の方が占める割合は67%にもなっています。(警察庁「平成28年における交通事故の発生状況」による)
事故を起こさないように注意することはもちろんですが、自転車保険で万一に備えておくと安心です。
保険選びのポイント
最近は様々な保険会社から自転車保険が出ていますが、高齢者向けとなるとかなり限られます。ものによっては補償内容が十分でないものもあるので、吟味して備えましょう。
選ぶポイントとしては、個人賠償責任補償がしっかりしているか。
「賠償責任の補償額が1億円以上」を目安にしましょう。
高齢者本人がケガをした場合は治療費程度で済みますが、心配なのは歩行者にケガをさせてしまうとか、車を傷つけてしまうといった事故の加害者になってしまうケースです。
後遺症が残るような大ケガをさせてしまった場合、数千万円の賠償金を請求されるリスクがあります。
保険金額はもちろんですが、対人だけでなく対物もカバーできるのが理想です。さらに、示談交渉代行サービスが付いていると安心ですね。
70代でもOKの自転車保険まとめ
年齢制限により高齢者は契約できない自転車保険が多いものの、70歳以上で加入できる自転車保険はあります。
Bycle S
au損保の「バイクル・エス」は、一般の高齢者向け自転車保険としてはおすすめです。
「バイクル・エス」は、70歳以上専用の自転車保険で80歳以上もカバーしている珍しい商品で、損害賠償保険金額は2億円と十分です。
示談交渉代行やロードサービス、法律相談費用など細々とした部分もしっかりカバーされていてバランスの良い内容になっています。
自転車事故による死亡・ケガの場合、死亡保険金・入院一時金の保険金額が2倍になるのも特徴。自転車事故だけでなく日常生活でのケガにも対応しています。万が一のトラブルにも心強い保険です。
補償対象年齢制限 | 70~89歳 |
---|---|
保険料 |
560円/月 6,060円/年 |
死亡 |
200万円(自転車事故の場合400万円) ヘルメット着用中の自転車事故なら+100万円 |
後遺障害 | ー |
入院一時金(3日以上) | 2万円(自転車事故の場合4万円) |
入院保険金(日額) | ー |
通院保険金(日額) | ー |
手術保険金 | ー |
賠償責任 | 2億円 |
法律相談費用 | 5万円 |
弁護士費用等 | 300万円 |
無料サービス | 示談交渉代行・自転車ロードサービス |
契約者が74歳以下なら、同じくau損保の「Bycle」「Bycle Best」も契約できます。
ちゃりぽスタンダードプラン
ジャパン小額短期保険の「ちゃりぽ」のうち、スタンダードプランなら年齢制限なし。スタンダードプランの中からさらに「あんしんプラン」と、通院補償のある「もっとあんしんプラン」が選べます。
保険料は安いですが、賠償責任の補償額が1,000万円と低く心許ないところ。示談交渉サービスがないのもマイナスポイントでしょう。
あんしんプラン | もっとあんしんプラン | |
---|---|---|
補償対象年齢制限 | なし | なし |
保険料 |
260円/月 2,900円/年 |
370円/月 4,900円/年 |
死亡 | 300万円 | |
後遺障害 | 300万円 | |
入院一時金 | ー | |
入院保険金(日額) | 6,000円 | |
通院保険金(日額) | ー | 1,000円 |
手術保険金 | ー | ー |
賠償責任 | 1,000万円 | |
無料サービス | ー |
JCA自転車保険
JCA(日本サイクリング協会)の会員になると加入できる保険です。80歳までOKですが、保険料の他に年会費4,000円がかかるので、トータルで7,000円とコストが高いです。
補償対象年齢制限 | 5~80歳 |
---|---|
保険料(年払い) | 3,000円 |
死亡 | 272万円 |
後遺障害 | 272万円 |
入院一時金 | ー |
入院保険金(日額) | 4,000円 |
通院保険金(日額) | ー |
手術保険金 | 2万または4万円 |
賠償責任 | 1億円 |
無料サービス | 示談交渉代行 |
モンベル自転車保険
アウトドアブランドのmont-bellが提供する「モンベルの自転車保険」。3つのプラン全てが78歳まで加入できます。
契約は1年、あるいは3年・5年の長期となり、3年・5年分の保険料を一括払いにすると安くなるので、長期の保険を考えている方はお得です。
シンプル | スタンダード | 安心 | |
---|---|---|---|
補償対象年齢制限 | 79歳未満 | ||
保険料(年払い) | 1,580円 | 2,490円 | 4,300円 |
死亡 | 100万円 | ||
後遺障害 | 100万円 | ||
入院一時金 | ー | ||
入院保険金(日額) | ー | ー | 1,500円 |
通院保険金(日額) | ー | ー | 1,000円 |
傷害医療費用 | ー | 50万円 | 50万円 |
賠償責任 | 1億円 | ||
無料サービス | 示談交渉代行 |
TSマーク付帯保険
自転車安全整備店で有料の自転車点検整備を受けると、「TSマーク」シールをもらえ、これに保険が付帯しています。1年ごとに有料点検は必要ですが保険料はありません。シールの色には青と赤があり、それぞれ補償内容が違います。
賠償責任補償は青シールに1,000万円、赤シールに5,000万円ですが、自転車で第三者に死亡または重度後遺障害を負わせた場合のみと限定的なので要注意。
青シール | 赤シール | |
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補償対象年齢制限 | なし | |
保険料(年払い) | なし | |
死亡 | 30万円 | 100万円 |
後遺障害 | 30万円 | 100万円 |
入院一時金(15日以上) | 1万円 | 10万円 |
入院保険金(日額) | ー | |
通院保険金(日額) | ー | |
被害者見舞金 | ー | 10万円 |
賠償責任 | 1,000万円 | 5,000万円 |
無料サービス | ー |